暮らしの知恵 フォローする 省スペース家具、機能充実 狭い部屋でも暮らしやすく

「家が小さいから、家具を小さくして広く使おう」とは考えなかったなー
2016/2/13 6:00 夕刊
 省スペースの小型家具が売れている。小さなテーブルやソファは、一人暮らしの若者向けの安価な商品が大半だったが、最近はデザインなどに凝った上質なものに変わってきた。背景には、一部屋の面積が小さいマンションの増加がある。家具を工夫して「狭いながらも楽しい我が家」を目指したい。

アクタスの「H.W.F」シリーズのテーブルは小型と上質感で人気(東京都新宿区のアクタス新宿店)
 都内に住む男性(31)は結婚後の引っ越しに合わせ、家具小売りのアクタス(東京・新宿)でデンマークの伝統的な木製家具のデザインを取り入れた「H.W.F」シリーズのダイニングテーブル(11万1240円)を購入した。
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 85センチ四方の正方形だが、来客時など必要に応じて2辺から天板を引き出し、最近の標準サイズに近い最長140センチまで伸ばせる。男性宅はダイニングが狭く大きなテーブルを置けない。普段は2人用にしていても「両親や友人が来た時は4人がけでも使える便利さがいい」と気に入っている。
 H.W.Fシリーズのテーブルは高級なマホガニー材を使い、手作業で仕上げるため、安くはないが、アクタスで上位10位に入る人気を見せる。
 家具販売国内最大手のニトリでは、コーナーソファと昇降式テーブルをセットにした商品が売れている。食事時はテーブルの天板を高くして食卓とイスとして使い、くつろぎたい時にはテーブルを低くしてカフェテーブルとソファにする設計だ。

 売れ筋の「ボックス」(ソファとテーブルセットで8万6410円)は、ソファの座面を上げると収納スペースにもなる多機能性が売りで「2~3年前に比べると、売れ行きは5割増程度で推移している」(商品部家具マーチャンダイズマネジャーの今井康一氏)。購入層は、マンションに住み、小さな子どもがいるファミリー層だ。「ソファとダイニングセットを兼用にして、子ども向けのスペースを取りたいという人も多い」という。
 省スペース家具の需要が高まっている背景には、1戸のマンションの各部屋が小型化していることがある。
 マンション事業のコンサルティング会社、トータルブレイン(東京・港)の久光龍彦社長によると「ファミリー向けのマンションは以前75平方メートルで3LDKが主流だったが、今は間取りは同じで面積が65~72平方メートルまで小型化している」そうだ。このため、かつて20畳近くあったLDKも10畳程度の物件が増えている。
 マンションが小型化しているのは、同じ価格なら面積よりも立地のよさを優先する傾向が強まっているためだ。以前の専業主婦は、都心や駅から遠くても環境の良い場所にある広い家での子育てを望むことが多かったが、今の忙しい共働き世帯は職場に近い立地の良さを強く求める。子どもの教育費もかさむため「面積を犠牲にせざるを得ない」(久光社長)。

引き出し型ではなく、床面を上げて収納するタイプのベッドが売れ筋に(東京都北区のニトリ赤羽店)
 狭い部屋を有効に使おうと、ベッドの機能にも変化が起きている。注目は寝具やコートなど季節の衣料品をしまっていたベッド下の収納部分。床面を上にはね上げて大型のスーツケースなどを収納する「縦型オープン収納」(深型、シングルで5万1325円)が登場、人気になっている。「以前は引き出し型が主流だったが、引き出すスペースがない寝室が増えた」(ニトリの今井氏)
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 イケア・ジャパン(千葉県船橋市)は小さい部屋での家具配置を提案する店舗内のモデルルーム「ルームセット」を展開する。収納や家具配置の工夫が凝らされ、多くの消費者が足を止めて見入っている。
 郊外に住んでいた団塊世代が、高齢化に伴い利便性の高い好立地の住宅へ住み替える動きがこれから起きるという指摘もある。部屋の面積を小さくして価格を抑えたマンションの人気は続きそうだ。多機能で省スペースタイプの家具は、需要が高まり、品ぞろえも一段と充実するかもしれない。
■印象だけで選ばない
 狭い部屋でも、空き部屋の状態なら広く見える。一方、工夫して展示している家具店ではたくさん置けるような気になる。「買ったはいいが、入りきらないケースもある」(家具店)。部屋の広さ、形を十分吟味して選ぶようにしたい。

a lot of fun

日常にあふれる楽しいことを忘れないように。

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